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人生地理学 4

人生地理学 (4) (聖教文庫 (76))

牧口 常三郎/聖教新聞社

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この巻は、第三編 地球を舞台としての人類生活現象
難しそうだなぁ… と。 (汗)
まず一番目に出てきたのは、「社会とは何ぞや」ここからですね。

世間一般に使われる「社会」という言葉
「社会のために」「社会制裁」「教育社会」「経済社会」「社会主義」「社会党」と称し、通俗には「世の中」「世間」「世上」。新聞紙上には、個人間の話題、などとあり。
その意義を顧みると現今幾多の論者がこの語を用うるに、あまりにも気ままに使い混雑不明に陥るもあるようだ、と。
「社会」と関するものをひとつひとつ道理や意義を確認していきます。

 人もし一己の私利のために不義の財貨を貪らば、たちまち社会の輿論は、これを認めてこれを排斥するにあらずや。称して社会の制裁という。これに反して一己の利害を顧みずして、公衆のために一事業を企つるものもあれば、社会すなわちその功績を認め、これを賞し、これを敬するにあらずや。かくて人々の行為は、たちまち褒貶毀誉の反響を受く人はこれを喜び、これを恐れ、道徳のある程度にあるものは、これによりてその身を修め、その行を正しうす。しからばこれを制裁し、褒貶し、毀誉するところのものは何ぞもとより吾人は一個の身体のごとくこれに服従する以上、その主体を認識し得べかざるの理なけん。

制裁をなす本体は何ぞ。
その範囲は如何。

[社会の定義]
社会とは共通の目的を有し多少恒久なる精神的関係において、一定の土地に集合し、相倶に生活する諸人の一団体なりと定義するべし。

これを一番身近なものでみると、家族生活ということになります。

家族の各員は家族全体の生活の目的を達する一手段たる特殊の職務をそれぞれ分担し、これによりて互いに相幇助し、相依従して、もって一小社会の生活を遂ぐ。しからばそれらの機関は家族なる一小社会の成立したる後に発生し、分化したるものなり。

この家族を構成する一員となり恩恵を受けながら生活する、これを一層広大なる社会――村落、都府、地方、邦国――と転ずるときは、その団体の範囲の広さに比例して、ますます複雑なる機関(社会的団体)の多種なるを観るべし。
これ本書のためにはすこぶる重要なるところ。


家庭の中においての分業は、知らず識らずの間に家庭のために高尚なる職務を分担するを見る。
家庭を「虫瞰」することによって諸社会を「鳥瞰」できるという方式でひとつひとつ、関わりをもつ順序で確認していきます。

国が家であるなら、そこの住する各部社会団体が健全であってこそ国が成り立っている。


社会の精神なるものは、吾人が自己内心を自省するによりて、自己の精神生活を明瞭に、具体的に認識するを得るがごとく、社会を認むるとともに認識し得るところのまったく具体的なものにして、単に人間の思想上に想像する抽象的のものにあらざるを知るべし。(中略)社会の精神といえども、各個人を離れて存在するにあらずして、その存立は社会を組成する各個人の精神中にあるなり。それらの個人の精神が相連合するによりて、個人精神以上の連合体を生じ、この精神連合体は、ついで成員たる個人の意思を支配するに至るものなり。


ここで、この各個人に存在する精神がいかにして共感し結合し連合体として社会的心意を生じるかは、お手本とする人を模倣するか、または同情し感じることによってついには全員に及ぶ。
この連絡を媒介するものは、言葉、挙行、書籍、新聞、雑誌なり。と。

社会はこのような一種の生活体の団結の結合によって大きさが増したり、内部の機関が分化されせ増殖し発達する。
社会を人間の体ととらえると、その体に備わる各器官が個々であり多種の職とみるとわかりやすいですね。

このような見方から様々な産業(職)について、人の精神に関わることを含め探求していきます。
正直なところ、この辺りは非常に説明、感想がむずかしくて・・・

副読本として読んだ、村尾行一著『牧口常三郎の『人生地理学』を読む』のお力をお借りしました。

牧口はまず言う――
「人間の需要に応じる貨物の生産に必要な条件は天然力と人力とに分けられる。経済学者は〈生産要素を〉土地、労力および資本の三者に区分するけれども、資本なるものは、天然力と人力との協合によってつくられたものの蓄積なのであるからには、ここで論ずる生産の範囲としては、〈人力と資本の〉ニ要素を一括することができる。しかも天然力については前編各章において論じたので、ここでは人力、すなわち人類社会の生産的活動を観察すれば、それで足りる」
この牧口の認識は「生産力」の根源を自然力と人間の労働力におくマルクスの「労働価値説」と同一と言って過言なら、酷似している。

牧口は言う――
「通常我々がモノを生産していると思っているが、しかし少しでもよく観てみれば、それはただただ人間にとっての有用性を増加・創成しているだけであって、換言すれば実利を生産するのみである」
商品とは単なるモノではなく、あくまでも「他人のための使用価値」とするマルクスの「商品論」と同一だと言ったら過言なら、酷似している。


『人生地理学3』の記事で、ホモサピエンスが集合体を出て川を下り新たな土地を求めて海へと出ていくお話を書きましたが、
その中で草を取り女性が細やかさの能力を使い縄を作り、舟を作るために大量の草を採り運ぶ力作業をする男性、そして舟を造る。(共同作業)
規則や指示ではなく、良くするための内省からの行動言い換えれば善の行動と言えるでしょう。
そこには、舟というお互いが必要な価値を創造するという行動であり、社会に見れば能力に応じた分業であり職業といえるでしょう。

こんな風に自然の恵みを利用して人間はその時々に有用なモノ(価値を)を生産して生活しているのが社会ということなのかな。
主体者は人間。人間にとって価値あるもの、見いだせるものを基準として物事を見ていく。

村尾行一著『牧口常三郎の『人生地理学』を読む』でも書かれていましたが、もうこの辺りからは牧口先生がこのあと書かれる『価値論』と重なってくるようです。

『人生地理学』1・2・3・4・5といっても、本来の原稿は2000ページにも及ぶ著作です。(校閲された志賀重昂氏により半分ほどに縮められています)
4巻は社会学、5巻は政治・国家が中心となっているようです。私には難しく、まだまだ、理解できていないことも多く感想を書くのも憚れるのですが『牧口常三郎の『人生地理学』を読む』とともに学んでいきます。なので、これまで書いた『人生地理学』の記事に追記や訂正などもしていくと思います。 (*´ω`)ゝ 何卒ご了承くださいますようお願いいたします。。






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