人気ブログランキング |
ポーランドの悲しい歴史を知った
図書館に予約本を受け取りの際に、一冊だと思っていたのに渡されたのは二冊。
またも、予約待ちしていた本の存在を忘れていた(汗)

本命だった本はKindleで読んでいたけど、挿絵がありどうしても紙の質感で見たくてお借りしました。なので、しばらくそちらを読んでいたのですが、ときどき視界に入る重量のある本(汗)どういう思いが湧いて図書館予約したのかも、あまり・・・題名カナ???などと思いつつ放置。 あまりの本の分厚さに引いてたのもあり…今は無理でしょ…
それでも気になり、開いてみる気になり読み始めたのが21日 ^^;
少し読んでいると、戦時下のポーランド、そこに暮らす人々と日本大使館の人との交流のようなものが書かれていて、もっと知りたい!と思ったけど、気づけば貸出期限は24日まで。ほぼ500pあるよ(汗)
24日までは無理だな… いつものごとく貸出期間の延長をお願いしたら、「次の予約が入っていますから」とのこと。
じゃあ、しょうがない!24日まで読めるところまででもいいや!読もう!と読み続けました。 

いま改めて振り返ると、萩尾望都さんの「エッグスタンド」を知ったことがきっかけだったことを思い出した。
読みたかったはずだ!

毎度ながら、歴史に関して恥ずかしいくらい無知な私。
それでも、ここ最近少しは本を読むことで学べ知ることが増えてきた。

また、桜の国で

須賀 しのぶ/祥伝社

undefined


地理的な位置づけで他国から侵略され続ける国、明日にでも国境線を突破してくる恐怖、信頼していた国に裏切られ国が無くなるという悲惨なこと何度も経験しているポーランド。

ドイツの侵攻により、ユダヤ人が受けた人種差別の一例に、人種証明書に応じて身分証明書と配給カードが発行されたこと。
配給カードとは配給カロリーに差別があり、ドイツ人は2613カロリー、非ドイツ人――つまり混血およびアーリア化が可能な人種は669カロリー、それ以外は184カロリー。であったこと。

ドイツ人であっても区別があり、本国のドイツ人(ライヒスドイチェ)とドイツ系ポーランド人である民族ドイツ人(フォルクスドイチェ)このドイツの身分証明書には写真が添付されていて、顔が正面よりやや右を向いていて耳の形に人種の特徴が現れていて、特にユダヤ人は一目でわかるからという。ナチスはこんな荒唐無稽な人種学を本気で信じていたこと。

ワルシャワじゅうのユダヤ人が無理矢理に強制的に居住区を割り当てられ塀で隔離されたゲットーといわれる場所があったこと。
はじめは門は日中は開かれだれでも自由に出入りができていたが、しだいに門は閉ざされ自由な出入りはできなくなった。
閉塞されたゲットー内の駅には毎日招集された人が “集荷場” と称される場所に集められ毎日列車が北へ出て行く、そしてその人たちが戻ってくることはなかった。かつて36万人近くいたゲットーの人々が、2年後の反乱蜂起した時にはわずか6万5千人になっていたこと。それでも6万5千人の人々の決して屈しないという強い執念を燃やし続け人間であることを取り戻す “ゲットーの反乱” は約1カ月続いたという。

このように歴史の事実を列挙するだけでは、伝わりきれない人と人が交わしあう心や湧き上がってくる感情だったりを、フィクション、ノンフィクションを織り交ぜながら小説にした本書は棚倉慎の人生に重ねながら描かれていることで、歴史の流れに翻弄されたポーランドの人たちのことも彼が親交を寄せたように身近な存在として感じられた。
歴史を辿ったフィクションではあるが、革命の地下組織の重要な人物であるイエジ・ストシャウコフスキ や慎の上司ポーランド大使酒匂秀一 ポーランド共和国建国の父ユゼフ・ピウスツキなどはすべて実在の人物なのです。


「ドイツが負ければ、アウシュヴィッツやトレブルンカの惨状はおのずと明らかになる。だが、このワルシャワの蜂起は、戦争が終われば、なかったことにされるか、事実を極端にねじ曲げられるかのどちらかだ」

ワルシャワ蜂起は、失敗した時点で歴史の闇に葬り去られる可能性がきわめて高い。もしくは、ソ連の美談に利用されるだろう。
ソ連はいまだ、ヴィスワ川のむこうからいっこうに動く気配はない。彼らはドイツとポーランド、双方が潰し合ってからワルシャワを手に入れるつもりなのだ。そうなれば、AKは確実に解体される。むしろ、安易な英雄思想で多数の市民を犠牲にしたとしてAKを戦犯にしたてあげて処分し、赤軍支配のための人柱にするだろう。
蜂起を促したのはモスクワ放送局という事実は都合よく消し去られる。カティンの森のように

歴史とは、常に勝者の歴史である。
それをよく知っているポーランドの人々。

「極東青年会」を中心としたワルシャワの人々が、人間として生きるために自国を取り戻そうとする革命の様子・惨状は、読んでいるだけで皮膚は粟立ち吐き気がしてくるほど酷いものだった。終始、なぜこんなことが起きてしまうのだろう… との思いが湧き続ける。
連合国・同盟国とはなんなのか?(結局勝手なご都合なだけなのではないか?)、人種とはなんなのか?、人間とはなんなのか?、人間の悪な部分に腹立たしくなり憤り、悲しい思いになります。また、人間の相手を思いやることのできる心に安堵し、それでもどうしようもない感情に胸が痛く苦しかった。


「戦闘は無残なものだ。理念がどれほど崇高であろうが、実現するための戦闘はただただ残酷だ。そして戦うことのみに意味を見いだすようになったら、それはもう破綻しているのだ。我々は常に、戦争が終結した後のことを考えて行動しなければならない。君たちは、自由のためにみごとに散るためにいるのではない。美しい最期を望むようになったら、それはもう、理想そのものを自ら投げ捨てたのと同じことなのだ」


その時々によって立場が変わる。ロシア側から見られる自分たち、ドイツ側から見られる自分たち。政治に振り回され自分の人生を歩むことができない国民。ポーランドの国民はあまりにも裏切り続けられたこれまでの歴史に、ドイツ人には憎悪を抱き、ロシア人には嫌悪を感じる。ポーランド人に本能のように染みついたこの感覚を、ドイツ人もロシア人もよく承知しているソ連は最初から、ポーランドを信用していない。ドイツ同様、たいらげる相手としか認識していないのだ。

スラヴ系にしか見えない日本人の慎、ドイツに生まれたユダヤ系のヤン、シベリアで生まれ今はアメリカ国籍をもつポーランド人のレイ。自分の感覚を無視した外見からの決めつけによる見られ方に、自分とは何者なのか?という思いや感覚があり続けていた慎は、自分の人生を重ね合わせたような思いをヤンとレイのなかに、ポーランドの人々のなかにもみていたのかもしれない。

本当の人と人のつながりは、互いに思いやる誠実な行動と信頼と尊敬の念があれば信じることができる。人種でも血縁でもない。
その願いが込められていると思った。

「いつか日本で花見をしよう、日本で会おう」と3人との指切りげんまん。

実現しうるのは、三人とも望むものを手に入れた時だけだ。真実が正しく伝えられ、平和が訪れてはじめて、彼らは共に桜を見ることができるのだろう。


f0324510_00494189.jpg


この本を読み感じることで自分が今ある立場(現実生活のうえで)では感じることができない感情というものを少しは汲み取れるのかな…と思います。 真実を伝えようと命をかけた人たちがいたことを忘れないでいたい、その思いを受け取るために。
正直、読むのはつらい、でも過去にあった真実を知ることで学んでいくしかないと思う。

ポーランドの悲しい歴史、市街戦というものの悲劇、日本でいえば沖縄がそうだったね。
山岡荘八さんの『太平洋戦争』を読んだときにも何度も思ったのだが、戦争は始めてはいけない。始めてはいけないのです!絶対に!!! その思いがまたいっそう強くなった。


随所に出てくる、ショパンの曲。
ラジオから流れるピアノの音に心を強く鼓舞したり、どこからともなく聞こえてくる音色に心を安らかにし、ユダヤゲットーの中で弾き語られる思いに胸を痛くした。これまでも耳にはしてきたけれども、そこに込められたショパンの思い「革命のエチュード」を今あらためて聴くと心が揺さぶられるほどの激しさが伝わってくる。慎の父が「革命のエチュード」を聴くと責められる思いになると言った思いが伝わる。

戦場のピアニストもこの時代を描いたものだったことを知った。(大恥)読後に映画の動画なども少しではあるが観た『また、桜の国で』に描かれている場面そのまま映像として見ることができた。そして、その裏側にあったことも。
少しづつではあるが、私の中での歴史が繋がってきていると感じる。











✿✿✿

お気づきの点がございましたら 
sakura8sakura@excite.co.jp へ、よろしくお願いします。 
<(_ _ )>



*****


『日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)』にポイント届けます!
NPOを無料で簡単に支援できる!gooddo(グッドゥ)
賛同・ご協力いただけましたら嬉しいです。
クリック

ご訪問くださりありがとうございます ♪







by sakura8sakura | 2017-03-24 11:04 | 読書

  ☆ さくら 備忘碌 ☆  ゆっくりと、マイペースで更新です。
by さくら
更新通知を受け取る
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
検索
最新の記事
Happy day ♪
at 2019-06-18 13:08
2019年5月の読書
at 2019-06-10 01:02
今年のゴールデンウィーク♪
at 2019-05-16 01:16
2019年4月の読書
at 2019-05-07 20:32
2019年3月の読書
at 2019-04-10 09:24
東山魁夷せとうち美術館 第4..
at 2019-03-31 14:32
2019年2月の読書
at 2019-03-03 10:22
2019年1月の読書
at 2019-02-01 16:57
『ベンジャミン・バトン』を観..
at 2019-01-20 00:20
今年初の読書『馬車よ、ゆっく..
at 2019-01-12 14:45
2018年12月の読書
at 2019-01-01 11:36
クリスマスの日に
at 2018-12-25 00:37
東山魁夷せとうち美術館 第三..
at 2018-12-06 21:10
2019年11月の読書
at 2018-12-01 16:45
『波うちぎわのシアン』を読ん..
at 2018-11-09 16:12
2018年10月の読書
at 2018-11-04 16:10
2018年9月の読書
at 2018-10-01 02:03
東山せとうち美術館 第二期テ..
at 2018-09-12 21:40
2018年8月の読書
at 2018-09-04 15:40
懐かしぃ ♪
at 2018-08-22 19:50
タグ
(114)
(47)
(44)
(41)
(24)
(23)
(20)
(17)
(13)
(12)
(12)
(12)
(11)
(10)
(9)
(9)
(9)
(8)
(8)
(7)
(7)
(7)
(6)
(6)
(5)
(5)
(5)
(5)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)