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『かぐや姫の物語』DVDを鑑賞ました。

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竹から生まれた子
竹の中に座るその子は、にっこりと微笑み完成された大人を思わせるような姿の姫でした。


竹から取り出され 翁の掌に大切に包まれ家に連れて帰る。
翁の掌で眠る姫は、いわば “死“ そして、媼の掌の上で再び生まれたということなのだろう。


媼の手に移ったその子の着ていた衣はパッと飛び、媼の手の上で跳ねるようにみるみる内に生まれたての人間の赤ん坊となった。貰い乳に行く途中、媼の身体の内になにやら変化が!赤ん坊の泣き声で乳が出る。きっと、あのような感覚ののだろう。
乳を飲み、笑うごとに重くなる赤ん坊。それはまるで竹の子が伸びる速度のように目に見えて育っていく。

寝返りをし、蛙を見てまねて這いだし、目につくものに興味をもち手を伸ばす。
這えば歩けの親心という言葉があるが、子は自ら前へ前へと成長していくのだ。
愛らしいその姿や動きに思わずにっこりとする、子どもの成長、生きる姿を見事に描いているシーンだ!







挿入歌 「わらべの唄」
作詞 高畑勲 坂口理子 / 作曲 高畑勲

山の子たちが歌っている「わらべの唄」
水車が回るように 日は巡り 季節も巡る 
生まれて死んで、それも自然の姿そのものなのだ、と。

自然と共に生きている人の風景がありありと浮び上がってきますね。

それを、生まれてまだ月日の経たない姫が歌っていることに注目!

そして、その続きである「天女の歌」を姫がひとり歌う

♪まわれ めぐれ めぐれよ 遙かなときよ
めぐって 心を 呼び返せ
鳥 虫 けもの 草 木 花
人の情けを 育みて
まつとしきかば 今かへりこむ ♪
( 本当に私を待ってくれるなら 私はすぐにここへ帰ります。)

「わらべの唄」から、一転、変調されて歌われる「天女の歌」
二度目のDVD鑑賞時は、この歌を聴くだけで落涙です。

高畑監督の溢れんばかりの詩心が伝わりますね。



この映画のコピー「かぐや姫が犯した罪と罰」
かぐや姫は、どんな罪を犯し罰を受けたのだろう…

誰のものにもなりたくない、ただ嫌だ嫌だと言うばかりで、自分がどう生きたいのかを自分で確認せず行動することもなかったということだろうか?…それが、五人の貴族方の不幸を招いてしまったこと…いのちを奪ってしまった罪?…

糸を紡ぐ、機を織る、畑を作る、庭をつくる、食料を調達する……
媼や山の子たちの姿は生きているという実感がある。
翁もかつては竹を切り細工をし物作りをしていたのだが、姫の幸せは高貴な姫となり高貴な殿方に嫁ぐという、姫の本意を無視した自己満足に陥ってしまっていたのだろう。
翁の言う「高貴なもの」とは何?それは翁の観念であって、偽りのものを見抜けない。
帽子(名称が解りません^^;)の高さを認知できず必ず当たって落としている翁の様は滑稽です。
高畑監督が言う、「ナンセンスなものにはナンセンスで」が表現されているところだと思います。


今は昔…と冒頭に竹取物語が語られる、今となっては昔のことですが…と。

何の為に此処に生まれて来たのか、それが解るのは最期が間近になったとき。
生命の輪廻を描くこの物語は、人間の成長速度と違う竹の子どもだからこそ高畑監督の思いがストレートに伝わってくる。

山の子たちが生きているように、生きて生の喜びを感じるために生まれて来たんだよ!
すて丸兄ちゃんが言ったように、草の根をかじったり、時には失敬することもあるけど、それでも、そこには生きている実感がある。

かぐや姫となった姫は人形のように置かれた存在でしかない、誰もほんとうの姫の姿を見ていない…
今の自分は生きていないことに気がつく、生きるためにここに来たのに…絶望。

自分の意思というよりも、湧き起こる衝動のように十二単を一枚一枚脱ぎ捨てながら宮中から駆け去っていく。文字どおり疾走してゆくかぐや姫、その先には大きな大きな月がある。

駈け、泣き、迷い、喪失感の果てに雪原の上に倒れる そして見た月。



無情にも、別れのお迎えはやって来る。

月に還るシーンは、きっと釈迦と多宝の二仏並座だよね!

振り返り地球を見るかぐや姫の表情は、記憶には残っていないが心に残る何かがあるそんな曖昧な表情は、
絶望の果てに感じた体験、すて丸兄ちゃんと駆け、笑い、飛行したあの記憶「いのちの記憶」があったのだろう。







怒り疾走するスピード感

感情が表情に表れる描写

鳥 虫 獣 草 木 花

山里の風景

懐かしいと感じる 心情風景

桜の木の下で喜びの感情を発散させながら舞うかぐや姫

媼の優しい手の動き

揺れる レンゲやつくしに いのちの喜びを感じる


リアルよりもリアルさを感じさせる動き

水彩画のような優しく素朴な絵

素描のような激しいタッチの線


など など など・・・

高畑監督の最期の作品となった『かぐや姫の物語』
感想をうまく言葉にできないじれったさでいっぱいですが
今の感じたことを書き綴ってみました。

二時間越えの大作ですが
物語の中に引込まれ、そんな時間を感じさせないです。





*****


高畑監督がお亡くなりになったことを、4月5日の朝に知りました。
記事を書こうと思いもしましたが、なにぶん高畑監督の作品にキチンと向き合っていないことを反省し、高畑監督の最後の作品である『かぐや姫の物語』を鑑賞してからとの思いがあり、今日の日となりました。
亡くなられて、早や四週間が経ちました。
この間、高畑監督のお人柄や思想をジブリの鈴木敏夫氏の言葉などから、わずかながら学ばせていただきました。
奥が深い人だなぁ…と感じております。

これからも、宮崎作品と共に高畑作品から、生き方を学ばせていただきたいと思っております。


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ご冥福をお祈りいたします。合掌



2018.4.5 AM1:19 この世を去られた高畑勲監督(享年82才)

心を込めて、ありがとうございました!



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出典元 https://matome.naver.jp/odai/2139497431465074201



***2018.5.6追記***


西)なぜ今、スタジオジブリが『かぐや姫』なんかをつくるのですか?
高)あなたは、かぐや姫の話を知っていますか?
高)この三つの質問に答えられますか?

①数ある星の中から、なぜこの地球を選んだのか、そして、なぜ去らねばならなかったのか?

②少なくとも三年半くらいはこの地球・日本にいた彼女は、その間、何をしていたのか?そして、何を思い何を考えていたのか?

③かぐや姫は自分の口でこう言った。「月の世界で罪を犯しその罪としてこの地に降ろされたのだ」彼女の犯した罪とそして罰はなんだったのか?


この三つの質問・疑問に答えようとするのが私の映画この映画です。
そのとき、この日本でつくるに値する映画ができる。
そのとき、ある一人の女性の姿が浮び上がるはずだ。


高)『竹取物語』は源氏物語のなかで、物語のいできはじめの日本最古の物語文学
この竹取物語は、物語として果たして完結しているのでしょうか……?
この物語には隠されたもう一つの物語がある。
一人の女性が生まれて生きて、そして、死んでいく
このかぐや姫という一人の少女が、その時々に何を思い何を感じたのか、僕らのつくるかぐや姫の物語という映画は、一人の女性かぐや姫の真実の物語だ。



「この世は生きるに値する」

この地で、一人の女性が生きた
笑い、泣き、喜び、怒り
その短い生の一瞬一瞬に
いのちの輝きを求めて
(PRコピー)








✿✿✿

お気づきの点がございましたら 
sakura8sakura@excite.co.jp へ、よろしくお願いします。 
<(_ _ )>




ご訪問くださりありがとうございます ♪




by sakura8sakura | 2018-04-29 23:10 | DVD鑑賞

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