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人生地理学 4

人生地理学 (4) (聖教文庫 (76))

牧口 常三郎/聖教新聞社

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この巻は、第三編 地球を舞台としての人類生活現象
難しそうだなぁ… と。 (汗)
まず一番目に出てきたのは、「社会とは何ぞや」ここからですね。

世間一般に使われる「社会」という言葉
「社会のために」「社会制裁」「教育社会」「経済社会」「社会主義」「社会党」と称し、通俗には「世の中」「世間」「世上」。新聞紙上には、個人間の話題、などとあり。
その意義を顧みると現今幾多の論者がこの語を用うるに、あまりにも気ままに使い混雑不明に陥るもあるようだ、と。
「社会」と関するものをひとつひとつ道理や意義を確認していきます。

 人もし一己の私利のために不義の財貨を貪らば、たちまち社会の輿論は、これを認めてこれを排斥するにあらずや。称して社会の制裁という。これに反して一己の利害を顧みずして、公衆のために一事業を企つるものもあれば、社会すなわちその功績を認め、これを賞し、これを敬するにあらずや。かくて人々の行為は、たちまち褒貶毀誉の反響を受く人はこれを喜び、これを恐れ、道徳のある程度にあるものは、これによりてその身を修め、その行を正しうす。しからばこれを制裁し、褒貶し、毀誉するところのものは何ぞもとより吾人は一個の身体のごとくこれに服従する以上、その主体を認識し得べかざるの理なけん。

制裁をなす本体は何ぞ。
その範囲は如何。

[社会の定義]
社会とは共通の目的を有し多少恒久なる精神的関係において、一定の土地に集合し、相倶に生活する諸人の一団体なりと定義するべし。

これを一番身近なものでみると、家族生活ということになります。

家族の各員は家族全体の生活の目的を達する一手段たる特殊の職務をそれぞれ分担し、これによりて互いに相幇助し、相依従して、もって一小社会の生活を遂ぐ。しからばそれらの機関は家族なる一小社会の成立したる後に発生し、分化したるものなり。

この家族を構成する一員となり恩恵を受けながら生活する、これを一層広大なる社会――村落、都府、地方、邦国――と転ずるときは、その団体の範囲の広さに比例して、ますます複雑なる機関(社会的団体)の多種なるを観るべし。
これ本書のためにはすこぶる重要なるところ。


家庭の中においての分業は、知らず識らずの間に家庭のために高尚なる職務を分担するを見る。
家庭を「虫瞰」することによって諸社会を「鳥瞰」できるという方式でひとつひとつ、関わりをもつ順序で確認していきます。

国が家であるなら、そこの住する各部社会団体が健全であってこそ国が成り立っている。


社会の精神なるものは、吾人が自己内心を自省するによりて、自己の精神生活を明瞭に、具体的に認識するを得るがごとく、社会を認むるとともに認識し得るところのまったく具体的なものにして、単に人間の思想上に想像する抽象的のものにあらざるを知るべし。(中略)社会の精神といえども、各個人を離れて存在するにあらずして、その存立は社会を組成する各個人の精神中にあるなり。それらの個人の精神が相連合するによりて、個人精神以上の連合体を生じ、この精神連合体は、ついで成員たる個人の意思を支配するに至るものなり。


ここで、この各個人に存在する精神がいかにして共感し結合し連合体として社会的心意を生じるかは、お手本とする人を模倣するか、または同情し感じることによってついには全員に及ぶ。
この連絡を媒介するものは、言葉、挙行、書籍、新聞、雑誌なり。と。

社会はこのような一種の生活体の団結の結合によって大きさが増したり、内部の機関が分化されせ増殖し発達する。
社会を人間の体ととらえると、その体に備わる各器官が個々であり多種の職とみるとわかりやすいですね。

このような見方から様々な産業(職)について、人の精神に関わることを含め探求していきます。
正直なところ、この辺りは非常に説明、感想がむずかしくて・・・

副読本として読んだ、村尾行一著『牧口常三郎の『人生地理学』を読む』のお力をお借りしました。

牧口はまず言う――
「人間の需要に応じる貨物の生産に必要な条件は天然力と人力とに分けられる。経済学者は〈生産要素を〉土地、労力および資本の三者に区分するけれども、資本なるものは、天然力と人力との協合によってつくられたものの蓄積なのであるからには、ここで論ずる生産の範囲としては、〈人力と資本の〉ニ要素を一括することができる。しかも天然力については前編各章において論じたので、ここでは人力、すなわち人類社会の生産的活動を観察すれば、それで足りる」
この牧口の認識は「生産力」の根源を自然力と人間の労働力におくマルクスの「労働価値説」と同一と言って過言なら、酷似している。

牧口は言う――
「通常我々がモノを生産していると思っているが、しかし少しでもよく観てみれば、それはただただ人間にとっての有用性を増加・創成しているだけであって、換言すれば実利を生産するのみである」
商品とは単なるモノではなく、あくまでも「他人のための使用価値」とするマルクスの「商品論」と同一だと言ったら過言なら、酷似している。


『人生地理学3』の記事で、ホモサピエンスが集合体を出て川を下り新たな土地を求めて海へと出ていくお話を書きましたが、
その中で草を取り女性が細やかさの能力を使い縄を作り、舟を作るために大量の草を採り運ぶ力作業をする男性、そして舟を造る。(共同作業)
規則や指示ではなく、良くするための内省からの行動言い換えれば善の行動と言えるでしょう。
そこには、舟というお互いが必要な価値を創造するという行動であり、社会に見れば能力に応じた分業であり職業といえるでしょう。

こんな風に自然の恵みを利用して人間はその時々に有用なモノ(価値を)を生産して生活しているのが社会ということなのかな。
主体者は人間。人間にとって価値あるもの、見いだせるものを基準として物事を見ていく。

村尾行一著『牧口常三郎の『人生地理学』を読む』でも書かれていましたが、もうこの辺りからは牧口先生がこのあと書かれる『価値論』と重なってくるようです。

『人生地理学』1・2・3・4・5といっても、本来の原稿は2000ページにも及ぶ著作です。(校閲された志賀重昂氏により半分ほどに縮められています)
4巻は社会学、5巻は政治・国家が中心となっているようです。私には難しく、まだまだ、理解できていないことも多く感想を書くのも憚れるのですが『牧口常三郎の『人生地理学』を読む』とともに学んでいきます。なので、これまで書いた『人生地理学』の記事に追記や訂正などもしていくと思います。 (*´ω`)ゝ 何卒ご了承くださいますようお願いいたします。。






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by sakura8sakura | 2017-02-28 00:10 | 読書
人生地理学 3

人生地理学 (3) (聖教文庫 (19))

牧口 常三郎/聖教新聞社

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前回までの、1・2巻は、「第一編 人類の生活処としての地」、ということで分野でいえば地理、環境が多かったかな…私としてはとても苦手分野。森林や河川をテーマにした人との関わりは身近で楽しい感情があったけど、半島や港湾や海岸線なのど地形をテーマにした対外的な部分は読んでいてページをめくる速度が重かった^^;

ようやく3巻目にきて、「第二編 地人相関の媒介としての自然」分野でいえば生物!もちろんそれだけではありませんですがね^^;
目次を列挙すると、無生物、大気、気候、植物、動物、人類。

人の生活において身近な無生物、
石炭、石油、黄金、銀、銅、鉄、鉛、錫、硫黄、白金、水銀、滑石、辰砂、軟満俺鉱、砒、砥石、浮石、粘土石、蛇文石、石灰岩、塩、黒土、燐灰岩、花崗岩、緑泥片岩、片麻岩、雲母片岩、大理石、石膏、黒曜石、金剛石、鋼玉、石英。

農業が土地を構造する岩石の性質にたいする関係の大切さ。いわゆる土壌の理学的および科学的性質。
その土壌たるや、ことごとく岩石の崩壊し分解して生じた岩片、砂、粘土を主とし、これに加うるに動植物の腐敗によって生じた有機物をもって成りて、農作物に供するにその発生に要する地盤と肥料とを供にするものなれば、無生物は農業上二重の関係を有するものと言うべし。
このように、上記したひとつひとつの含有物が何であるか調べられています。

これらの鉱物の分布を調べることで、社会の文化において重要なる勢力たることは、金属の発見とその使用法の発明とが、そのつど文化の発達に一時期を画するによりてもこれを観察するを得べし
道具をいかにつくり、いかに用いるか…人が生きる糧を得る生活のためなのか、侵攻する攻撃のためなのか…
そこにも、その土地の自然環境条件により定住する民族か移住しながら生活する民俗かが分かれてくる。

文明の開発が進むにつれ、人間が生き延びる率がたかくなる。そうすると、人口が増えてくる。そして、その人口を養うだけの土地が必要となってくるのだという記述部分に、この当時の人口の少なさにびっくり、そして、増え続けるであろうとの計算上の人口数が的を得ていることにもよく観察し精密なデータを集め思惟し予測する牧口先生の先見の明を感じました。

戸田先生の『人間革命』の巌さんに出版を勧めたあのシーンもそうですよね。


気候の分布、水・湿度の分布を地球全体から調べていくと、人間が住める土地には限りがあります。陸海の占める総体は変わることはありません。増加した人口が住む場所を開拓するには…と、そこで目を向けたのが「気界」。必然的にそうなりますね。
となると、地上からどこまでが人間の住むことができる範囲となるかはもちろんのことお調べになっておりました。



生物としては植物と動物

植物が人間の生活上作用する天然力として、栄養に必須なる土壌の物質を経済的に利用して人間の需要を充たすところの物質に変化し有用物として生産するなり。
地中よりその食料として有機物および無機物を採取し、空気中より炭酸ガスを吸収すこの炭酸ガス(二酸化炭素)は太陽の光線の作用により植物の葉の緑色細胞において酸素と炭素に分解し、その遊離せる酸素は外部に排出して人類その他の動物の欠くべからざる資料となり、残る炭素は別に植物が採取したる物質と化合して植物の体中に有機化合物を形成す。
今では当たり前にみんな知り理解していることであるけど、あまりにも当たり前すぎてその存在の意味することを忘れてしまう。

植物がなければ動物は生きていくことができないということを。

吾人がよりもって一家の生活を維持し、よりもって団欒の快楽を享受する家屋の存在に注意することにより、しかしてなお吾人はこの建築材とともに多くの器具を日夜眼前に目撃し、使用しつつあることを意識することにより、森林が直接に吾人の生活に非常なる効用をなしつつあるを感ぜずんばあらず。
その植物から人間は栄養となるもの以外にも、家屋や衣服となる繊維や樹脂などの恩恵をあずかっている。

この植物も種類によって分布地域が違う。豊富な果実や穀物の採れる土地を持つことの重要性、それが人間の利害関係になることも。
農業として植物を栽培し豊かな土地をもつこと、海外の古い小説などにみられる収穫祭や地主となることが権力をもつの意味となることで重要だったことなどを思い出しながら読んでいました。そういえば、日本の祭りも、♪村の鎮守の神様の今日はめでたいお祭り日~♫ だったかな?の歌にあるように、それは人間が生きる上で食が重要なことであり豊作を祝い、自然の力を前にどうすることもできない経験も含め感謝しますね。

海藻にいたっては、採取することでその利が得られること、生息状況を把握し乱獲しなければ、農業のように耕したり手を加えたりしないでその恩恵を海は与えてくれているのだと。
島国である日本が海に囲まれていることがどれだけ恵まれているかを確認しました。
食の豊かなところには人が集まり、人が集まるところには様々な情報が集まり人が交流し文明が発達する。
植物が繁殖する気候、気温、地形などの条件を見てみると日本という国は国土の割合をみても非常に恵まれている。



動物(禽獣魚貝)からの影響も同様であり、社会的な部分でいえば
野獣のある所、これ猟民ある所、魚貝の滋殖する所、これ漁民の存する所、もって草根、木実を食物としてついに農民に移る人民と対立して、おのおの特殊の原始的社会生活を形造り、しかしておのおの特殊の発達をなすなり。すなわち漁民が永く原始的生活に安んずる間に、猟民にして畜養するに適する獣類を発見したるものは、早くすでに牧畜の民となる。これ実に文化進歩の一起始をなすものにして、すこぶる重要なるものなり。

今や人民を結合する求心力となり、加うるに家畜の所有を保護するがため、はた家畜の繁殖を図るがためには結合の必要と利益を感ぜしめ、ここにおいてか一層鞏固に、広大に、かつ恒久なる社会生活を遂げしむるに至る。


禽獣や馬や牛や羊など、魚や貝からも栄養となる肉以外に、労働力や道具や衣類などに利用している。
どれをとっても人間が勝る力はなく、人間の身一つから生産できるものがないことに気づく。

こうしてみていくと、人が生きていく、生活していく上で関わってくるものの数の多さを実感できます。そして、それらを利用する智慧が人間に具わっているからこそ生きてこれたのだと。なんとも生まれたままの一個の生物としての人間の非力なことを見せつけられる思いをしながら読んでいました。
そんな人間が他の生物を制し生きてこられたことには、人間には智恵が具わっていたことがある。
人類はこの他の動物と区別せらるべき僅少なる特質によりて、その周囲の自然力に抵抗して、その生命を維持するのみならず、自然力を利用して自己の使役に供し、またよく自然の状態に応化し、もってその所属を繁殖し、他の生物を征服し、さらに進んで社会、国家を形成し、ついに今日の発達を遂げたるものなり。

その智恵を持って、自分たちだけが良ければ…とのエゴ的な考えを捨て地球規模の視野で見ていけば、様々な問題を解決していく能力を人間は持っているのだとわかる。



最後に、動物と心情の章から
吾人の従順なる伴侶とし、はた親愛なる慰藉者として、日常の生活に纒綿する諸種の動物によりて吾人の心情が涵養され、叙暢せらるることのすこぶる多大なるは、少し自省するところにより、また古来の詩歌を通覧するによりて容易に首肯し得べきところなり。想うにかれらは造化の特命を帯びる天使として、あるいは忠実に吾人の使役に服し、あるいは臨時に吾人の慰訪をなすものなるに似たり。

動物の吾人の心情に影響するところの多端なるは、敢えて植物界に譲らざるなり。はたしてしかればそれら各種類の各地における有無および多少がその住民の心情に特種の影響を与え、したがって文化の発達に尠なからざる関係あるべきは否定する能わざるところなるべし。


科学や調査技術などが発展して今では当たりまえの認識であることも多いけど、牧口先生がこの書を纏められたのは明治時代であることを忘れてしまいそうでした。
今や、自宅にいて世界の映像を観れるのだから、もっと想いも寄せられると思う…。








2017.2.24追記


4万5千年前からの人類の軌跡が見られます。

ビルとキャット、彼らは過去の記録・研究からの知識をもって4日間で追体験していきます。

人口増加が原因でホモサピエンスは、陸から海へと新たな資源を求めて旅立ちました。

初期のホモサピエンスは、生きるために知恵を使い、身の回りにある自然物を使って道具を発明して作り新たな土地を探し旅を続けます。
石や動物の骨や角を棒に差して、今までになかった物を作り出します。
ナイフは画期的な発明品だったのです。
人間の想像力は計り知れないものですね。

植物で紐を作り植物を束ねて舟を造り、川を下って海を目指します。
生き延びるためには資源を求めて進みます。
舟をつくったホモサピエンスは、道具を使って自然を活用し困難を克服し海岸という新たな環境に適応し生活を変えました。

冒険心に突き動かされた先駆のホモサピエンスは初めに舟で海へ出ることをした。
そのホモサピエンスの勇気と行動力があったからこそ今があるのですね。



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by sakura8sakura | 2017-02-23 20:01 | 読書
人生地理学 2

人生地理学 (2) (聖教文庫 (10))

牧口 常三郎/聖教新聞社

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前回、読んだ『人生地理学 1』では、地と人間との関係、観察の基点として日月、星、地球、島嶼、半島および岬角、地峡、山岳および渓谷、平原。は、人間の生活にどう影響ているかの視点で観察されています。
諸物に対しても「人生」という言葉を使う意味「人間の生活」に関わる(係る)ことに視点を置いているため、身近なものから、つぶさにひとつひとつ確認・認識する作業。近くなものから遠くのものへ、小なるものから大なるものへ。

その視点で「人間の生活」がいかに自然に関係するか。その自然の違いによって「人間の生活」に違いがあり、それによって暮らし方や考え方が違っていることを知ることができる。また、同意できる

この『人生地理学 2』では、河川、湖沼、海洋、内海および海峡、港湾、海岸。は、人間の生活にどう影響しているかの視点で詳細に観察・考察されています。
ここでも「虫瞰」することによってこそ「鳥瞰」できるの観察眼は精細に光っています。

ページを開いて、まず、概観をかかれた部分で、もう少し詳しく河川に対する牧口先生のもうひとつの視点。

 人家の聚楽(じゅらく)する所、これ水流の灌す所。大河の流るる所、これ大都府の起こる所。小川の漑ぐ所、これ小部落の存する所。人類繁殖の多少は河川の多少と正比例をなすがごとし。這般の関係は少しく河畔を逍遥する者の容易に発見するところなるべし。

 一定の路を辿りて陸地を流るる水を名づけて河という。陸に河流あるは、なお人体に血管あるごとしとは前章に陳ぶるがごとし。陸がこれよりて作用し活動し、生気を呈するは、ほとんど生物の生活する状態と異ならず。実に造化は河流によりて地を生活体たらしむるもののごとし。されば、地にして水流を欠かんか、あたかも麻痺したる身体のごとく、生活を失いたる生物のごとく、不毛の地たり、砂漠たるなり。人間は大地のこの生活力によりて自己の生活を遂げ、また社会の生活を遂ぐ。しかれども、河川がこの重要なる作用をなすや単簡なるただ一筋の流れによりてするものにあらず。もしそれ軽舟に棹さして河流を上下せんか、泉流、渓流、小川等の名をもって大小無数の支流が相会し、相合して、ついに一大巨流となること、あたかも無数の枝葉がことごとく幹に支えられて繁茂せる一大樹木に比べらるべきをみるべし。これら全体を総称して河系といい、この一系の河流によりて灌漑せらるる地面の総体をその河の灌域というなり。

 吾人はこの簡単かつ雑駁なる概観によるも、なお大いなる勢力の成るには、無数の小力の集合して生ずるものなりとの貴重なる教訓を得て百般の人事に応用するをみるなり。


もう、ここを読んで自然の織りなす風景が人間の生活と重なる社会をみているように思いました。

自然を見て、自然の法則ともいうべきところに人間を合わせて見る。
そんな視点がここにあります。

(3)下流
河川を各部分に区別して仔細にその職能を観察しきたれば、河の一系は、あたかも人間の一生に比すべきか。
嬰児→明滅極りなき可憐時代→生長しその勢力をうる→少年および青年の時期→初めて狭隘なる家庭よりやや広き社会に出でて生活の途を得んとして事業を企て、失敗また失敗、試験時代を経過して老生時代に入り、初めて着実なる考慮に達するに比するべからずや。―― ―― 下流とは、人生の老境であると。



(4)河口
河口は河の死なり。その生命たる速力はこれに至り零となり、かの抱容したる土砂はここにまったく沈殿し、かくて砂洲を造り、その墓標に代うるがごとし。
人の一生の功過は、その死後において計算確定せらるる。すなわちいわゆる棺を蓋うて人間の価値は定まる。

精細に事象を観察し、分析し、それを人間は生活にどう利用しているかを論じられています。
専門的な目線で観察されている部分は、正直私には難しい!
でも、全体の流れで大まかには把握できるようです^^;

川が氾濫する、氾濫自体は自然のなかで起こることなので悪いことではない。まして氾濫することで自然が運んでくれたものが大地を肥沃にするのだから。だが、川のあることが人間の生活に有用でありそれが近いほど便利であるから人間が住みついたということで、川が氾濫すると人に害が起こる。

そいうことを知識として知っていれば人間に及ぶ被害が減少されるように対処することができる。
ただ、これらも両面あって防止策をとることによって新たな害の原因ともなることもあり…
自然とうまく共存するバランスが大切なんでしょうね。
そのためにはよく観察することで邪見を取り払って真実を正しく見極めることが必要なのですね。

一般に地図に記載される川のような見方ではなく、もっと立体的に人類に影響する事柄から観察する牧口先生の眼は鋭敏かつ繊細です。


同じような地形の土地の気質、その土地に住む人の気質から思考、文化へと…
また、相対することでみえてくること。
日本であることは、他国でも同じ条件で起きてくる、そんな対比を細かくし思惟していくことで実際にその地に行っていない牧口先生であっても知ることができる。

海洋のさらに特絶して吾人に大影響を与うるは、その淼漫無辺の洋面に加うるに、澎湃無量の権力を表すに在り。人はこの大量と威力とに無限の恐怖をなす。しかれどもその恐怖は早晩一掃せられ、しかしてその壮宏雄大の偉観に感化せらるるに至る。いずれにしても造化の神髄に触接して無限の崇敬を捧ぐるに至る。

海浜と山間もしくは海国と陸国とにおいておのずから人情をことにするは、もってみるべからずや。総ずるに、海洋は最も人生の脱却しがたき空間と時間との束縛に遠ざからしむところ、すでに時、空の羈絆に遠さかるが上に、無辺の造化の大威力に触接す。

海洋と心情ことに宗教心との関係を観んとす。想うにこれ海洋の広大なる勢力に最も感化せられたる者にして、初めて了解せられ、感動せらるべきものにして、またこれよりてその関係のさらに親密になるものなればなり。

同じような経験を通し自然の脅威を識る者はその心情がわかるであろう。


巻末、【海岸屈曲と人間】は、この巻の内容とともに時を一気に駆けたような記述です。


すべてを紹介することはできませんがこのようなものの見方を学ぶことができます^^



時代が時代ですので、海洋のこと、港湾のこと、国の水際のことなど軍備や防衛、訓練などについての考察にまで及んでいます。
ときは明治。20代の一青年がここまで地球全体に目をむけ国のこと考えていたことに、ただ感服と尊敬の意をおぼえます。




最後に、泉について少しだけ抜粋しておきたいと思います。
その本源の不思議なる、自然の妙趣の奇なるに感驚せずんばあらず。すなわち雨露霜雪とありて、山上に下りたる水が欝林の枝葉に支えられて、徐々に落下し、ここにまたその陰影と落葉と、蘚苔とに保護せられ、しかして葉陰苔下の岩石の罅隙に潜入し、集溜しふたたび湧出して泉となり、もって河源となるものこれなり。

能くその水量を調節するを観ては、自然の妙趣に感ぜざる能わんや。しからばすなわち妙趣の要素はいずれにあるか、問うまでもなく、森林にあるなり。これ、いにしえの経世家が疾に着眼して、その保護に勧め、もって福祉を受け、今の浅見者が意にこれ注がず、いたずらに濫伐を勤め、もって禍害を受くる所以なり。

知らず、この大恩に浴し、同時にこの大害に苦しむ日本人は、これに対してなにの処置かある。

森林に感謝! 河川に感謝!
地球に住む人間は自然によって生かされていることを忘れてはいけないですね!!









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by sakura8sakura | 2017-02-19 20:28 | 読書
人生地理学 1

牧口常三郎の『人生地理学』を読む

村尾 行一/潮出版社

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牧口先生の人生地理学を、読むにあたって副読本として 村尾行一『牧口常三郎の「人生地理学」を読む』を読んだ。
その中で、村尾先生がこの本についてこう述べている。
地理学の書物と限局しないほうがよい。率直にいって、当時の地理学界は牧口のこの労作を従来の地理学体系のなかで、どう据えたものか持てあましていたし、現在もそうである。ということは「人間生活の地理学」は地理学の枠の内には、しかも牧口が相違を認めている自然地理学のみならず人文地理学の枠の内にも、収まりきらないものなのである。
つまり『人生地理学』は地理学にして地理学にあらず、地理学を超えてなお地理学を包摂するもの。だから同書は地理学を超えた広い、そして新しい地平に据え直して読まれるべきだあろう。
では同書は何の書物か。
これを凝縮すれば「地人相関」すなわち「地球の表面に分布する自然現象と、人類の生活現象との関係の系統的知識」(『人生地理学』5)である。しかも重視すべきことには、牧口はこの「地人相関」をあくまでも「人類の生活現象を主題」として研究することが同書の「主眼」であるという鮮明な問題意識でもって考察するのである。


人生地理学 (1) (聖教文庫 (7))

牧口 常三郎/聖教新聞社

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郷土の観察を卑近にして浅薄なりと。ゆえに吾人は重ねていう。
人間が他日大社会にいでて、開かるべき智徳の大要は、実に、この小世界に網羅し尽くせり。もしよく精細に周囲の事物を観察せんか、他日世界を了解すべき原理は、ここに確定せらるべしと。(42p)
これを『牧口常三郎の「人生地理学」を読む』の著者である村尾行一氏はこう表した。
「虫瞰」することによってこそ「鳥瞰」できると言っている。
これは小田実が『エライ人』の大所高所から行う「鳥瞰」という見方に対抗して、地べたを這いずりまわる虫のアングルと譬えた市井の庶民の目線からの「虫瞰」という見方を提示したものであるが、牧口はそれをも、しかも遠い昔に乗り越えていたのだと。

牧口先生の視点なのです。

その視点で「人間の生活」がいかに自然に関係するか。その自然の違いによって「人間の生活」に違いがあり、それによって暮らし方や考え方が違っていることを知ることができる。
題名を『人生地理学』とした思いも、「人の一生」と「人間の生活」も「人生」なり。
人類の物質的および精神的の両方面の生活を意味し、したがってその中には、経済的、政治的、軍事的、宗教的、学術的等、諸般の生活を包含す。人類社会の生活のこれら諸方面と地理との関係を論ずることは、これ本書のいささか予期したるところ。

参考に 
「地を離れて人無く、人離れて事無し。人事を論せんと欲せば、まず地理を審らかにせざるべからず。」吉田松陰


一、地と人と関係の概観 問題と吾人
ただ範囲においてしかるのみならず。深遠の程度においても、ほとんど量るべからざるものあり。したがって同時に至難の問題たるや、また論を俟たず。しかりといえども、少しくその性質に考慮を回らすときは、これ決して吾人日常の生活に疎遠の問題あらざるのみか、吾人が実際に孜々営々解釈に熱中しつつあるものなるを観るべし。否、ただ熱中しつつあるのみならず、現に吾人は知らず識らず、不十分ながらも相応にこれが解釈をなして、各自この理法に適応せしめ、もってこの世に生活しつつあるを観るべし。
ここに至って、もはやこの問題の要否は問うに遑あらず。ただそれ、不明瞭のみ、無意識のみ。はたしてしからば、大はすなわち大、難はすなわち難なりといえども、いまだもって容喙すべからざる範囲として、にわかに絶望すべきにあらざるや明らけし。いでや吾人はこの理由をもとに、この必要にうながされ、敢えていささかこれが解釈に冒険を試みんか。請う吾人をして心意発動の自然の順序に随い、日常生活の最も卑近なる事実の観察よりして、おもむろに歩を進めしめよ。
と・・・
牧口先生の論じはじめとしたところが、吾人と世界。そう牧口先生自身の一個の人間から目を向け観るのです。
もとこれ荒浜の一寒民(中略)しかるに一度想いをこの微賤の身辺に注げば、端なく無量の影響に愕然たらずんばあらず。五尺の痩躯に纏う一襲の絨衣、これはこれ粗なりといえども、けだし南アメリカもしくはオーストラリアの産するところにして、イギリス人の勤労とその国の鉄と石炭によって成るところ。からはじまって、短靴、いや靴の底皮はアメリカその他の皮は英領のインド・・・そう書きだしていくと、その皮のもととなる動物の育った場所は?それを運搬過程を想像し、ドイツ国民の熟練した技術をもってできたであろう・・・といった具合にそのときにかかわったであろう事物、人を観て想起していかれる。
全文紹介したいと思うほど、こうも細かく観察するのかと可笑しくも、徹底した姿勢の現れるところでもあるのだろうと思いました。
吾人が本論の端緒として、ことさらに区々たる私人の細事を敢えてする所以のものは、これ吾人の心意発動の実際の順序にして、現時における最小の単位と見做すべき埋没生活において、なおかつ、しるがゆえに、それ以上の生活はもって容易に類推しうべければなり。

自分の五体に感じるところ日光・温熱・太陽・星・地球。そこから想起するその大きさ・運動・水界と陸界・島……これはこれでこうなってて、じゃあこうだったらこうなるんだ。なら、こういうのにもそうだよね!と、どんどん広がっていかれたのでしょう。そうしてまた一つ一つを調べていくのです。そうすると、人間が生活することでかかわることの範囲の広さを証明し、そうしたら、その人間がどう関わるかによってものごと(環境)への影響が変わってくるということに発展していく牧口先生の眼力というか、観るところというか探究心が凄いですね!

依正不二ですね!

池田先生の『立正安国論・講義』にこうあります。
仏法では、自然もまた、本源的には人間生命と相互に関連しながら、一定のリズムを保っている“生命的存在”であると説き、自然環境と生命の関係を、依正不二――依法たる環境を、正報たる生命は、而二不二の関係にある――とし


研究者ではないので村尾先生のように専門的な細部にまでは及びませんが、人間生活と自然との係わりという点において流れをくんで理解できるようにされています。
それであって専門家から見て究極と総体を見きっておられる牧口先生の視点を村尾氏は称賛されているのです。
それは、仏法の視点である。また、そういう流れで説明されている点においても仏法的だったということですよね。
まだ仏法を知らなかった当時の牧口先生の探究心の現れであるのだと思います。
そうして、日蓮仏法にたどり着いたこともこの一環のなかにあるのでしょう。

この巻の後半には、閉ざされた山岳地帯という環境であるがための思想や、開けた平原であるが環境ゆえに領土争奪の争いが起こるなどのその地帯に住む人間の傾向性なども論じられています。

私が住む日本という国は「島の特性」の環境の中に住しているのだと実感。これももっと小さく「虫瞰」で観ていくと長短両面あり、それを知り見極め判断していくことが相反するようだけどグローバルな視点で見ることにも繋がっていくのだと思います。

牧口先生が観たこと考えたこと、もっと知りたい!教えてほしい!!ってなります。
私たち人類の生活が関わるところすべてに及んでいくのだろうとの認識はありましたが……
この巻は、「人生地理学」の始まりから、地球のうちの陸面のうちの土地部分かな。
ただ…全5巻です。どこまで行くのやら(笑)




読んでいて途中、人間が住んで何千年?の時を経て今ある現在はこうであると鳥瞰で世界を見渡してみると、ちょっと複雑な気持ちになりました。人間が住んでいなかったらどんな地球だったのだろう…と。

自然の摂理を無視して、人間は傲慢になっているのではないだろうか…





人が手を放した場所は、いずれ自然へと回帰する。オランダの自然保護区を追った生きもの図鑑ドキュメンタリー!世界でもっとも人口密度の高い国オランダ、その首都アムステルダムから北東50キロの海沿いに位置する6000ヘクタール程の小さな自然保護区「オーストファールテルスプラッセン」。もともとは1968年に行われた干拓事業の失敗で放置された人工の地だった。しかし、人に忘れられたその土地に、わずか45年で自然はあたらしい命を育み、野生の楽園を築きあげていた! 都市近郊に広がる命の宝庫のようなこの土地で、生を謳歌し死と対峙する生き物たちの一年を、美しい映像で綴っていく。なかでも、目を引くのがリワイルディング、再野生化に成功したコニック(馬)の一群だ。一度自然界では絶滅した種だがこの地で繁殖に成功した。数千頭が群れをなして雄大な草原を駆け抜けるシーンは圧巻。人が手放した場所で紡がれる生きもの達の相関図は、いかにして土地の生態系が回復していくのか、そのプロセスを明らかにしていく。このあたらしい「野生」のあり方は、年々深刻化していく地球の環境問題に希望をもたらす力強いメッセージといえるだろう。



✿✿✿

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by sakura8sakura | 2017-02-13 15:37 | 読書
2017年1月の読書
1月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:2783


池田大作全集 第34巻 講義池田大作全集 第34巻 講義感想『開目抄』のみ 326pまで読了。 「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし・天の加護なき事を疑はざれ現世安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」
読了日:01月02日 著者:池田 大作



クヌルプ (新潮文庫)ヌルプ (新潮文庫)感想クヌルプが一生のうちに残したものは?とあげれば恐らく形に残るものはないだろう。だがそれは不幸なことなのか?「人間はめいめいの魂を持っている。それをほかの魂とまぜることはできない」縁した人、一人ひとりの心の中に永遠に残るものを少しだけ残した彼の人生は彼でなければできない人生であり幸福だったといえるのではないだろうか。肺を病み残された時間をこれまで生きてきた道を辿りなおすように故郷を訪れかつての友たちに会い言葉を残して行く。13歳のときフランチスカの裏切りが彼の心の中に巣食った孤独。感情を露わに出すときに見える自意識の中では気づかない怒りがずっとあり続けていたのだろうか。己心にある神様との会話でそれも含め自身の思いあるべきとおりに生きたのだと納得し最期は赦し赦された光の訪れ。魂の芸術家の人生。自然を愛し自然の中に生き多くを求めず人に感謝され愛された人生は羨ましくもありそう生きることができれば…とも思わせてくれる美しさがそこにあった。
読了日:01月05日 著者:ヘッセ


小説 この世界の片隅に (双葉文庫)小説 この世界の片隅に (双葉文庫)感想一人の女性、すずさんの庶民の生活からみた第二次世界大戦当時の生活の様子が描かれています。千人針も大和も配給も、石ころの入った骨箱も、伝単も…何が起きてもどう転んでも… 今日を今を生きていく姿に胸が熱くなる。すずさんの目を通してみると、うつむきそうになる頭が前向きになっていくのがわかる。笑えないようなことが起こっても笑いに変えて、それでも………じゃなくて良かった。と、こうやって、この時代を生き抜いてきた人がいるから今があるのだと思った。すずさんの声を、みんなの声を。生きる姿を忘れてはいけない。何年経とうが… 
「あの戦争で犠牲になった人たちがいたから今がある」という言葉が、個人的には大嫌いなのです。そうそう、さくらさんの言うとおり、あの時代を生き抜き、そのあとの混迷する世を生き抜いた人たちがいたからこそ、今があるのだと思うのです。さくらさんの感想に激しく同意です!
おお~ 激しく同意していただきましてありがとうございます!! なにも本当のことを知らされていなくって突然の玉音放送。どこにぶつけたらいいかさえ分からない。ポンプを激しく押してバケツの底に打ち付ける。そんなことでしか怒りをぶつけることができない、すずさんの姿は当時の一般庶民の女性の声なんだろうな…と。それでも「なんでも使こうて暮らし続けていかにゃあならんのです、うちらは。」とね。
読了日:01月08日 著者:こうの 史代,蒔田 陽平


夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)感想『この世界の片隅に』を読んでこの本を読んだ。お話の時系列で言うとこれでいいのだけど、出版されたのはこちらが先。こうのさんの描く絵と話し言葉とボケとツッコミのおかげで他の原爆関連の本よりずっと読みやすい。だけど、一つ一つここに込められた思いはとても大きい。あの時、広島に住んでいた人々の…“ピカドン”という一瞬で変わってしまった未来。✿一昨年の初夏に訪れた平和記念公園で知ったことはほんの一部分であったのだとわかった。あとがきを読んで、この本を描き残してくれてありがとう。と感謝します。
読了日:01月09日 著者:こうの 史代


ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯感想キップスさんと住むこの部屋がクラレンスの世界の全てであって、そこでは、自然界で営まれているパートナーとの暮らしがあって。その中で歌われるクラレンスの歌声、囁き、おしゃべりの声はキップスさん以外の他の者では聴くことができない。小さなスズメ、クラレンスの貴重な伝記でもある。小さな命が教えてくれたこと。動物の本能というか、自然に生きる智慧。限られた命を生ある限り自分らしく生きるということ。命の危険を瞬時に判断できる感受性(というべきか正確な言葉が見つかりません^^;)によって取捨選択できること。人間は自分の五感や本能を使って取捨選択するすべを少しづつ忘れてきてしまっているのかもしれませんね。✿読んだ時期もあり、個人的に思い入れのたっぷり詰まった記念になった本です。 装画 酒井駒子さん/装丁 大久保明子さん 
読了日:01月10日 著者:クレア・キップス


夜を乗り越える(小学館よしもと新書)夜を乗り越える(小学館よしもと新書)感想意外な小学生時代にびっくり、それも素の人間として優しすぎたからだったのですね。幼少時の父の言葉の影響か…うまく対応できない人間関係に苦しんでいた。そんな直樹少年が近代文学から「自分と同じ悩みを持つ人間がいると知った」「本を読むことによって、本と話すことによって、僕はようやく他人とそして自分との付き合い方を知っていったような気がします」と語っている。物書き視点と読み手視線の両方から読み解き、その中で感じたことを自分の生きている様に重ね合わせたように話される内容にこれまでお名前だけで躊躇してしまう作家さんの作品も読んでみたいと思った。読書に興味がない方でもこの本を読むことで「本を読んでみようかな」と思うようになるのではないかな?と思った。それが又吉さんのこの本へ込めた思いでもあるのではないかな…。✿毎度思うのですが…もっと若い頃から読書に目覚めていれば…と反省しきりです。
読了日:01月11日 著者:又吉 直樹


日蓮大聖人御書講義 (第4巻 下)日蓮大聖人御書講義 (第4巻 下)感想「十一通御書」~「強仁状御返事」
読了日:01月13日 著者:御書講義録刊行会







車輪の下 (新潮文庫)車輪の下 (新潮文庫)感想「河」を描いたヘッセの一文に出あって『シッダー・ルタ』を読み。『クヌルプ』を読んで自身の内面へ向かうヘッセの人物像を垣間見。著作はヘッセ自身を描いたものであることを知った。(日本では)一番目に挙げられる代表作である本書では、何を伝えんとしているのか? 優劣を基準にし羨望に喜びを感じそれが生きる目的となっていたハンス。 ヘルマン・ハイルナーと出会い(その生き方に)魅かれるものを感じるが、これまでの自分の価値観を拭い去ることができない。その狭間での心の葛藤。ガラスのような心をもったハンスには壮絶な苦しみだったのだろう。 ハイルナーを失い。唯一価値としていたものも失い。自身をも失いつつあったとき、懐かしい昔の光景を思い出すシーンは堪らない。その中には活き活きとしたハンスの姿が見える。ヘルマン・レヒテンハイルから教わった魚釣りの秘術を自分のものにしていたハンスなのだから自信さえ取り戻せれば機械工として一人前以上としてやっていけただろう。 川を流れ下るハンスの姿の描写は川面に美しく光る月の光に向かって進んでいったハンスの姿とみたい。大人の目から見た「避けなければならないもの」と思い込んだもの、そうすることが「正しい」と決めつけていたものが、子どもにとって本当に必要なものと必ずしも一致しない。ラストにフライク親方は言った。「いや、もう、なにもいうまい。あんたとわしもたぶんあの子のためにいろいろと手ぬかりをしてきたんじゃ。そうは思いませんかな?」 何があっても心に寄り添い見まもり続けることが一番必要なことだったのだろう。✿ヘッセの作品を追ってみようと思う。
読了日:01月17日 著者:ヘルマン ヘッセ


新・人間革命〈第4巻〉新・人間革命〈第4巻〉感想【春嵐】【凱旋】【青葉】【立正安国】【大光】 賢明な一人の人間をつくる。その一人になるには、優れた宗教のバックボーンと師匠が必要。権力の魔性に屈せず民衆よ賢くあれ!との師の言葉が響いてくる。✿備忘録としてhttp://sakura839.exblog.jp/27459844/
読了日:01月19日 著者:池田 大作





小説人間革命 上 ((聖教文庫))小説人間革命 上 ((聖教文庫))感想当時のどちらかといえば生活に貧窮する庶民が、正しい信仰を得て生活を人生を改善させていく模様が描かれている。ほとんど難しい仏法用語を使っていないが、同じ信仰を持つ者として仏法の法理が逆引きのように分かりやすい。生活のなかに根差した信仰の必要性が知れると思う。
読了日:01月24日 著者:戸田城聖




小説人間革命 下 ((聖教文庫))小説人間革命 下 ((聖教文庫))感想牧口先生と戸田先生の国を思う一念は大聖人の立正安国論そのものである。 牧口先生の日本人の神仏の認識の誤りの指摘と正しい認識の講義部分は胸にストンと落ちる納得を得た。日蓮仏法を知るという意味でだけでなく軍部政府による圧力対して何の反論もできない時代であったことがリアルに描かれている。それは、まさに体験したものでなければ書けない事実であろう。✿この上下巻を読み、牧口先生の著書を読まねばとの思いが強くなった。
牧口先生、戸田先生がいなければ、日蓮大聖人の仏法は絶えていたと思います。当時の日蓮正宗の行動を見れば明らかです。神札を一旦でも受けちゃいましたから、、。本当に心こそ大切なれ!ですね。この命懸けの獄中闘争に全ての始まりがあり未来に我々がいて、様々な縁に広がって今日があります。両先生がいないとまた自分も生まれていなかったのかも?とか考えると深い深い縁起感を感じます!まさに仏意仏勅!
もちろん師弟の絆、行動があってのことですね。この戸田先生の『小説・人間革命』を読んで、私は池田先生を通しての戸田先生しか知らなかったのだなぁ…と感じてね。直接感じるってことで伝わる小説の形をとられたんでしょうね。そうしたら戸田先生を通して伝わってきた池田先生の言葉からの牧口先生しか知らないから(大汗)。やはり自分でちゃんと初代会長の著作物から牧口先生の残してくださった言葉や思想を知りたいしそうすることも大切かなって思いました。もちろん日蓮大聖人の御振る舞いは御書からですね^^ 
読了日:01月24日 著者:戸田城聖



伝説の灘校教師が教える 一生役立つ 学ぶ力伝説の灘校教師が教える 一生役立つ 学ぶ力感想本当に生きる力をつける・教えるという意味で「教育」があるのであれば、これが「教える」「学ぶ」ということなんだと思う。この本を執筆されたときのお歳は、まもなく100歳となられるころ。語られる内容ひとつひとつに経験と実績の深みがあります。目次を読むだけで、今私が知りたい!と思うことばかりで、読んでいて楽しくって、なるほど!と橋本先生の言葉が響いてきます。中勘助さんの『銀の匙』を、3年間とにかく読み込む。この本を選択したのは、橋本先生が尊敬する中勘助さんがご自身の人生を描いた本がこの『銀の匙』であったから。「横道にそれる」ことを勧める。この一冊の本の中で、わからない言葉や疑問に思ったことを徹底して自分で調べる、実際に体験すること。それが橋本先生のおっしゃる「横道にそれる」ということ。この「横道」という言葉にひどく感銘を受けました。「横道にそれる」ことをすることで広がっていく世界がある。その横道にこそ、自分が欲し選んだものであり自分の感性を深めていくことができ、結果的に最短な道になるのだろうと思った。
読了日:01月28日 著者:橋本 武


わたしの愛する孤独わたしの愛する孤独感想『六十歳の深奥』をはじめ、『メドゥーサとしての詩神』『机の前のとらわれ人』孤独の中で自分自身を見つめ自分が感じたことを的確なメタファーを見つけ出し物語りを紡ぎだすようなサートンさんの詩からわたしが感じたことは、自分自身が感じたことを信じる。自分自身の内面をを冷静に知ることも必要。そうして、変化に気づく深い感受性、それが人を成長させてくれるのだと。自分を信じることができれば、他者を信じ認めることができる。十界の生命は自身の中に(誰の中にも)あるのだと。詩人て…凄いね!本質を見抜くんですね‼
読了日:01月29日 著者:メイ サートン


池田大作全集 第25巻 講義 (池田大作全集)池田大作全集 第25巻 講義 (池田大作全集)感想立正安国論講義(上) 御書17p~24p「如かず彼の万祈を修せんよりは此の一凶を禁ぜんには。」まで
立正安国論は対話形式って云ふのがお茶目で読み易いですよね。ところで旅客ってもともと何の用事で来たんでせうね。やっぱ、暇だから愚痴りに来たんですかね。
当時の悲惨なほど荒れ乱れた世は「これは、どうしたものか?」と嘆いて来られた旅客(無智の人)ということですね。そうだね、読み易い(わかりやすい)という対話形式にされたのも一対一の対話を重んじられていた大聖人ならではのお心でしょうね。こうだからこうである!と理論理屈だけだとなかなか理解しづらいからね。「独り此の事を愁いて胸臆に憤悱す客来つて共に嘆く屢 談話致さん」と疑問・質問に丁寧に答えられたお手本でもありますね。
読了日:01月30日 著者:池田大作



*****



今月は、小説本あり、講義本あり、自伝本あり、コミック本あり、とバラエティ豊かですが「自分らしく自分の道を生きる」ということを、改めて教えてもらった読書でした。
そういう本を!と選んで読み始めたわけではなく、直観と挑戦しようと決めた師匠の著作から なのが嬉しいような驚きのような(笑)
自分のアンデンティティを確認でき、バックボーンとなる自分の宗教のあり方や教義なども学べて一カ月という期間がそれ以上の時を持てたように感じます。いくつかの本は読んで感じたことや思索したことなどをこのブログに書いています。本当は読んだ本すべてを深く掘り下げ学ぶことができればきっともっと気がつくことができるだろうな…と、試行錯誤するところもありますが、本との関わりによって感じたことが活かされ自分の足で歩いているという実感があるので、今はこれでいいのだろうと思っています。


日蓮大聖人の御書の拝読と共に立正安国論講義(まだ読了済みは上巻までですが)を学ぶことはじめ、日々の勤行の御祈念文の三師供養のときの、日蓮大聖人への報恩感謝の思いを一層深めることができました。
また、池田先生の著作物はこれまでにも読んできましたが、戸田先生の『人間革命』を読むことができたのもよかったです。
今、牧口先生の著作物へも挑戦していますが、著作物を読むことによって三代会長の指導を直接学ぶことができ初めて感じられることもあります。何より報恩感謝の思いがこれまで以上に湧きあがってきます。
✿源を知ることって大事ですね!




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橋本先生のおっしゃる「横道にそれる」ことも経験しながら
新たな発見との出会いを楽しみます♪








✿✿✿

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by sakura8sakura | 2017-02-01 13:29 | 読書メーター
  

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