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今年初の読書『馬車よ、ゆっくり走れ』を読み終えた

いま、読み終えた(2019.1.12正午)


昨年、12月4日に訪れた東山魁夷せとうち美術館で出合った本
年明けから、ゆっくりと読んでいた。

東山魁夷画文集〈6〉ドイツ紀行―馬車よ、ゆっくり走れ

東山 魁夷/新潮社

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第一次世界大戦 1914年7月28日 – 1918年11月11日
第二次世界大戦 1939年9月1日 – 1945年9月2日

第二次大戦終戦間近に召集され兵役
二度と絵筆を持つ事ができないだろう
生きる希望もないそんな状況の中
汗と埃にまみれた魁夷さんが観た熊本城からの眺め
『風景開眼』(37歳)



皇居宮殿壁画《朝明けの潮》の完成後

一切を真っ白な状態になるために
欧州を巡る旅に出る(61歳)

1933年8月~1935年9月(25歳~26歳)
若き日に画家(絵師)を志しドイツに留学し学んだ地へ


時を経て訪れた
留学時に目にした風景、肌で感じた空気を重ね合わせ辿り邂逅する
ドイツ・オーストリア紀行である。

文才のある風景画家である

氏の作品を観るように伝わってくる「美」
美しい風景が堪能できるのはもちろんのこと

しかし、この書に込められた東山魁夷さんの想いは…

同じ大戦を経験した日本とドイツ
35年という歳月を経た、この二国の姿を対比し観て
今の日本の有り様を憂う心情が吐露されている。

いや、東山魁夷さんの静かだが強い警告のメッセージだろうと思った。


 京都を心の故郷として描き、日本の自然を生命ある美と見るのには、私は多くの現実に眼を閉じなければならない。しかし、こんどの旅の古都では、現実に眼を開けば開くほど、心の故郷のイメージそのままであり、清浄な自然は、人間の愚行で害われない姿を示して、私の全身全霊を快く抱擁してくれた。
 皮肉な現象である。遠い昔から自然を愛し、自然の、どんな繊細な生命のあらわれにも敏感であり、そのあらわれに心を移すことを美と感じてきた日本民族が、今では狂気のように、自然を破壊している。



古き町を大切にする

窓辺に溢れる花のある家々

その土地の風景に調和した景観を大切にする心

そこに住むひとの人柄

その人の生き方が表れてくるのだろう


『馬車よ、ゆっくり走れ』

ティルの話のようにならないように…






トーマス・マン 『トニオ・クレーゲル』
ゲーテ 『ファウスト』
モーツァルト 『ドン・ジョバンニ』『魔笛』


狂気なまでの芸術家の心眼の鋭さ
芸術作品を通し映し見て
「魔」に取り憑かれてはいないか?と…問う






 リンツはザルツブルクとウィーンの、ほぼ中間にあって、ドナウ河に沿う由緒ある都会である。
トゥン伯爵の招きで、この町へ立ち寄ったモーツァルトは、新しい交響曲による演奏会を依頼され、わずか数日で書き上げたということだ。しかも全曲に漲るのは、明るい生命感の躍動ともいうべきものである。
 勿論、その明るさ、その生命感の輝きは、音楽によってのみ、モーツァルトを生かしている根元的な生命そのものの反映である。それは、歓喜に満ちている”人間”から生まれるものではあるまい。この曲の魅力の一つである明るさの中に、ときどき現れては消える陰影とのデリケートな対照が、ザヴァリッシュとウィーン・フィルの絶妙な演奏によって、美しく表現され、人びとをを酔わせた。
 序奏の力強い和音にはじまる、活気の溢れる第一楽章、内省的な第二楽章、再び生気と気品に満ちた第三楽章、明朗な第四楽章と、見事に整った構成と、自在な流動感は、この天才の円熟と情熱の高まりを感じさせる。





東山魁夷氏の教養の深さ
真なるものを見つめる眼
内に秘める熱き想い
に触れることができる一書である。

ときおり織り交ぜられた妻すみさんとの会話に
東山新吉の姿があった。


2019年最初の読書と感想
有意義な一年となりますようにとの
願いと自戒の念を込めて…








✿✿✿


<(_ _ )>
ご訪問くださりありがとうございます ♪

by sakura8sakura | 2019-01-12 14:45 | 読書
  

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