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槻の木の弓
すべての人びとが、子供たちを大切にしていくところから、本来の平和という光が輝いていくものである。
それが根本であるとともに、それが一切の原点でなくてはならない。

小学校、中学校時代といえば、長い人生でもっとも夢多き時期である。万事に好奇心が旺盛で、遊びには目がない。
メルヘンや冒険小説のたぐいに想像力をかけめぐらせ、大きくなったらああなりたい、こんなことがしたいと、小さな胸を夢いっぱいにふくらませている。およそ自殺などとは縁の遠い年代のはずだった。そうした希望の代名詞のような子供たちが、簡単に死を選ぶということは、まことに異常事態として深刻に受け止めていく必要がある。
すぐポキリと折れるガラスにも似た脆さ-----。それを竹のように柔軟な粘り強さに変えていくために、私は、家庭や学校、広く社会全体が子供に及ぼす影響、教育効果というものを、根本から考え直さなければならない時期にきていると思う。
親や教師である以上、子供の成長に無関心な人はいないだろう。しかし、その成長の方向が、じつのところどこを向いているかとなると、また別問題である。エリートコースのみをめざす有名校至上主義、成績さえよければ、との考え方で育てられた子供は、一つの目標の挫折が、そのまま死へとつながりやすい。積雪の重みにじっと耐え、はね返し、やがて春の陽光を浴びつつすくすくと成長していく竹のような力は、そこからはけっして生まれてこない。

私の信奉する日蓮大聖人の御遺文集のなかに、槻の木の弓にまつわる逸話が出てくる。
-----ある父子があった。父は子の将来を思うがゆえに、学問修行に励もうとしない子供を、槻の木の弓で打つなどして教え込んだ。そのため子供にとっては、父親の態度は無情そのものであり、とりわけ槻の木の弓が憎くてしかたがなかった。
しかしながら、そうして励んでいるうちに、学を積み道を究め、とうとう他人に利益を与えるまでに成長することができた。振り返ってみるに、自分がここまでにこれたのは、父が槻の木の弓で打ってくれたおかげである。そこで子は、槻の木で塔婆を作り、亡き父への供養にしたという。

この逸話は日蓮大聖人が、法華経の恩ということを、槻の木の弓に譬えられたものである。それと同時にこの譬喩は、家庭教育、学校教育、社会教育一般にも通ずる教訓を秘めているのではなかろうか。

私は、スパルタ教育を宣揚しているのではない。むしろ逆である。子らの成長していく過程には、多くの試練が待ち構えている。受験はもとより家族や友人関係など、一波も二波もかぶって社会人として巣立っていく。試練はときに、槻の木の弓で打たれるような辛さに思えるかもしれない。しかし彼らは、そのような困難を乗り越えていく力を、本来的に持っているものだ。そしてやがては、試練を与えてくれたものに感謝するにいたるだろう。
もしその力が発揮されないとすれば” 弓 ”の与える試練のほうに、どこか狂いがあるからである。めざすは受験一本で、その他は放任しっ放なしの家庭。成績の上下がそのまま人間の評価に直結しかねない学校生活。遊びや喧嘩のなかから人間社会の常識やルールを身につけていくことを知りながら、おおらかな遊び場を奪い、道路からも追放し、テレビっ子にしてしまう社会。やや極端ないい方になるが、子供たちはそうした大人の世界が、児童の健全な成長を願う愛情ではなく、自分たちの都合だけで動いていることを、本能的に感じとっているにちがいない。些細な理由による自殺は、私はそれらのことへの無言の抗議のように思えてならないのだ。

昨年の夏、話題を呼んだ映画に「キタキツネ物語」がある。観てきた友人たちが、一様にもっとも感動的なシーンとして語ってくれたのは” 子別れ ”のところであった。その一人は、「キツネの社会でさえ、あれほど苦労して育て上げた子供を、一本立ちさせようとして必死なのですから、人間たるもの、父親も母親も、もう少し考え直さなくてはいけませんね」と語っていた。私も大きくうなずき返したものであった。
もはや、私たちは、今日の異様さに鈍感であってはならない。未来は、確実に私たちに重大な警告を発していると思うからだ。

つれづれ随想より 一部抜粋


国際児童年(昭和54年)、子供社会で起きる痛ましい事件が多々あった頃。
少年少女の自殺が頻発したことに対して述べられています。

あれから、30年以上の年月が過ぎて現在どうでしょうか・・・

日本には、『死にたい』と訴える20代が溢れています。
20代の死因の半数を自殺が占めるという、世界でも類を見ない異常事態です。

日本社会・・・
いじめ、虐待、貧困、様々な原因があり、ひとくくりにこれが、などと言えませんが、
未来に希望が持てない社会というものが浮き彫りになってきているのではないでしょうか。

今、私にできること・・・
子どもたち(該当する20代)との対話を大切にすること。
なかなか、深い話になることは少ないですけど・・・
話していると、ひょんなところから んんん?っていうような話題が出てきたりします。
私の若きころとは違う、深刻な問題であったりします。
そこで気付くこと、助言できること・・・
聞いてあげること・・・
一緒になって考えること・・・
見守っていくこと・・・

社会で一番小さな単位である家庭から、そんな思いです。
子どもたちだけではありませんね。
そこから広げていく信頼関係。
縁した人たちの可能性を信じて接していくこと。

知っていくこと、自分のできることから関わっていくこと、
いま最も大切なことではないかと思います。


お気づきの点がございましたら
sakura8sakura@excite.co.jp へ、よろしくお願いします。
<(_ _ )>







by sakura8sakura | 2014-12-27 22:59 | 説話
  

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